写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里

MotoGP第2戦ポルトガルGP
3月22日~24日/アウトドローモ・インターナショナル・アルガルベ

第2戦ポルトガルGPは、Moto2クラスで活躍の期待がかかる小椋藍(MTヘルメット-MSI)が表彰台争いを繰り広げた末、5位でゴールしました。今季、小椋はチームを移籍しています。カタールGPでの4位に続き、移籍後のパフォーマンスが確かなことを証明しました。Moto3クラスでは、日本人ライダーにとって軒並み苦しい週末となりました。

Moto2:小椋藍が表彰台へあと一歩に迫る5位

決勝レースで、小椋は7番手から好スタートを切り、3番手に浮上しました。しかし、レース中盤には5、6番手に後退します。このとき、小椋は周りのライダーに比べてペースが上がらない状況であり、タイムを上げておくべきタイミングだと感じていても、その自由度がないと感じていました。

それでも小椋は、レース終盤まで3番手争いを展開します。小椋と接戦を繰り広げるのは、マヌエル・ゴンザレス(QJMOTORグレシーニMoto2)と、フェルミン・アルデグエル(ベータ・ツールス・スピードアップ)の2人です。しかし、小椋は最終ラップの4コーナー立ち上がりでハイサイドを喫しそうになり、後退。フェルミンをかわそうとするも惜しくも及ばず、5位でゴールしました。

小椋を苦しめたのは、最終コーナーでした。小椋は、苦しんでいた最終コーナーを考えて、最終ラップを組み立てていました。

「サーキットの前半セクションで抜いて差をつけておかないと、最終コーナーで追いつかれて、(メインストレートで)スリップを使われて抜かれてしまうので、できれば5コーナーで前に出ておきたかったんです。それで準備したら、4コーナーでハイサイドしそうになっちゃった」

「最終コーナーで速く走れなかったのが自分を苦しめていたし、あそこでもうちょっとだけ冷静になれたらな、とも思います。もっといろいろな可能性を考えておくべきだった。 もうちょっと落ち着いていければよかったんですけどね」

小椋はゴンザレス、フェルミンと三つどもえの接戦に、「あそこは精神面が甘かったですね」ときっぱり認め、反省を口にします。その潔さが小椋らしさであり、小椋の強さの背景にあるのかもしれません。

一方で、ポルトガルGPで2024年からMoto2、Moto3クラスのオフィシャルタイヤとなったピレリへの理解が進んだ、とも語っています。開幕戦カタールGP、そして第2戦ポルトガルGPで表彰台に迫る戦いを見せただけに、第3戦以降は「さらにその上」の期待が膨らみます。

小椋藍選手の走行の様子
表彰台まであと一歩だった小椋(#79)。存在感を見せつけたレースだった

また、今季からMoto2にステップアップした佐々木歩夢は、16周目に転倒リタイアに終わりました。いいフィーリングでスタートしたものの、腕上がりの症状が出た影響により全力で走行ができない、という苦しいレースでした。佐々木は「必要なら手術をしてアメリカズGPに挑みたい」と語っています。

Moto2表彰台の様子
Moto2で優勝したアロン・カネト(中央)、2位のジョー・ロバーツ(左)、3位のゴンザレス(右)

Moto3:日本人ライダーは軒並み苦しいレースウイークに

Moto3では、木曜日の夜に降った雨の影響で路面がひどく汚れたため、金曜日最初のセッションであるフリープラクティスが中断、キャンセルとなり、ライダーの走行時間に影響しました。

そんなポルトガルGPは、Moto3に参戦する3名の日本人ライダーにとって苦しいレースウイークとなりました。決勝レースでは、鈴木竜生(リキモリ・ハスクバーナ・インタクトGP)が日本人ライダーとして最上位の13位。自身が目標としていたポイント圏内でゴールし、3ポイントを獲得しました。

鈴木は20番手という後方から決勝レースをスタートしており、予選順位の改善が現在の課題だと語っていました。今季はチーム移籍にともないホンダからハスクバーナにマシンが変わっており、適応が求められているのです。

「このバイクに合わせた、うまくポテンシャルを引き出せるような乗り方にしないとな、と。できるだけバイクに乗って、今の課題を少しでも改善できるようにしたいです」と、語っていました。

カタールGPで3位表彰台を獲得した古里太陽(ホンダ・チームアジア)にとっては、苦手なアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベでのレースでした。そのため、厳しい週末になるだろうと考えていました。古里は18位でレースを終えています。

「アメリカはもう少し前のほうで走れるんじゃないかと予想しています。今回に関しては、ある程度の苦戦は予想していました。受け止めて次に生かせれば、と思います」

山中琉聖(MTヘルメット-MSI)は、金曜日午前中のフリープラクティスのキャンセル、プラクティス1で発生したトラブルもあり、うまく流れをつかめず、決勝レースでは他ライダーに接触されて転倒リタイアに終わりました。

Moto3表彰台の様子
Moto3で優勝したダニエル・オルガド(中央)、2位のホセ・アントニオ・ルエダ(左)、3位のイバン・オルトラ(右)

MotoGP第3戦アメリカズGPは、アメリカのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで、4月12日から14日に行われます。