写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里

MotoGP第3戦アメリカズGP
4月12日~14日/サーキット・オブ・ジ・アメリカズ

MotoGP第3戦アメリカズGPのMoto2クラスでは、小椋藍(MTヘルメット – MSI)が17番手から大きく順位を上げて7位でゴールしました。しかし小椋は、「情けないなと思う」と言います。一方、Moto3クラスでは、山中琉聖(MTヘルメット – MSI)が最終ラップまで表彰台争いを展開し、4位でフィニッシュしました。

Moto2:小椋藍が17番手から7位でゴール

初日と土曜日午前中のセッションはフィーリングもよく順調に進み、小椋はフリープラクティス2では2番手タイムを記録して、予選Q2にダイレクト進出を果たします。しかし小さなミスが重なり、Q2では17番手に沈みました。決勝レースを6列目からスタートすることになったのです。

迎えた決勝レースで、小椋はフロントタイヤにSC3(ハード)を選択しました。アメリカズGPではサーキットのデータがないことに加え、路面状況を考慮し、ピレリはMoto2クラスのフロントタイヤにSC3、Moto3クラスのリヤタイヤにはC1096(ハード)を追加しています。Moto2ライダーがSC1(ソフト)またはSC2(ミディアム)をチョイスする中、SC3を選んだのは小椋だけでした。

小椋は1周目に9番手に浮上すると、7位でレースを終えました。大きくポジションを上げてのフィニッシュでしたが、小椋は思ったほどペースを上げられなかった、と満足していない様子でした。予選までは表彰台争いが見込める位置にいただけに、厳しい目を自分に向けます。

「ペース次第では4位でゴールできたレースだったと思います。昨日の予選も含めて、情けないなと思うところがあります」と、MotoGP.comのインタビューで語っています。

「1周目を9番手で戻ってきたのですが、そこから15周、まったくポジションを上げられなくて同じようなところでのレースでした。追い上げた、といえばそうですが、自分の力で追い上げたと思えるレースではないです。ペース的にも課題が残るレースだったので、次戦、頑張っていければと思います」

 また、Moto2に参戦するもうひとりの日本人ライダー、佐々木歩夢(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、本人のSNSによるとドクターストップにより欠場となりました。佐々木はポルトガルGPで腕上がりを発症して手術を受けており、スペインGPでの復帰を目指しています。

表彰台の写真
Moto2で優勝したセルジオ・ガルシア(中央)、2位のジョー・ロバーツ(左)、3位のフェルミン・アルデグエル(右)

Moto3:山中琉聖、今季初の完走は表彰台争いの末の4位

Moto3クラスでは、山中が表彰台争いを展開しました。山中は予選でうまくタイムを記録できず、最後尾である23番手からスタートとなります。しかし、好スタートを切って1周目に9番手に浮上すると、2番手争いに加わって4位でゴールしたのです。

山中はフロントにSC2(ミディアム)、リヤにSC1(ソフト)を選択していました。追い上げのレースだったこともあり、終盤はグリップが厳しい状況にあったようです。とはいえ、最後尾から4位のゴールは堂々たる結果でしょう。山中はMotoGP.comのインタビューでこう語っています。

「最後は仕掛けどころを誤ってしまいました。(リヤが)ソフトタイヤで、すでにグリップが厳しいなか、ひとつのミスで勝負が決まる状況というか。最終ラップはセクター3とセクター4で(前との差を)詰められず、4位でゴールしました。今季、2戦連続で転倒が続いていたので、まずはゴールできてうれしく思います」

山中選手の走行
2番手争いを繰り広げる山中琉聖(#6)

鈴木竜生(リキモリ・ハスクバーナ・インタクトGP)は、今季初めてQ2にダイレクト進出を果たし、15番手からスタートしました。前のライダーの転倒や、他者からの接触によりはらんだシーンもありながら、5番手を先頭とする集団で争って6位でフィニッシュしています。

「表彰台争いができるペースがあったので残念ですが、難しいレースのなかで、できることは100パーセントできたと思います」と、MotoGP.comのインタビューで語っていました。レースは思うような展開ではなかったものの、チームを移籍してマシンをホンダからハスクバーナに乗り換えた今季、開幕戦から第3戦にかけて、着実に前進しています。

また、古里太陽(ホンダ・チームアジア)は表彰台圏内の3番手走行中の4周目18コーナーでハイサイドを喫し、リタイアでレースを終えました。残念な結果でしたが、いいフィーリングで走れたということもあり、古里としては悪くはない週末だったともとらえています。

「いい結果では終われなかったけど、いいフィーリングで走れていたので、それはポジティブでした。ウイークごとにピレリタイヤとの相性もよくなってきています(MotoGP.comインタビューより)」

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Moto3で優勝したダビド・アロンソ(中央)、2位のダニエル・オルガド(左)、3位のアンヘル・ピケラス(右)

MotoGP第4戦スペインGPは、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで、4月26日から28日にかけて行われます。