6月20日・21日、大阪府・プラザ阪下で全日本エンデューロ選手権の第2戦が行われました。岩盤の上にサンド質が薄くのった独特な路面のモトクロスコースに、ストップ&ゴーが連続するタイトなレイアウトを組み合わせた今大会。コーナーがきつく、走り込むほどに轍とバンクが育っていく性格のコースで、丁寧なライントレースが順位を分ける2日間となりました。DAY1は午前こそドライのベストコンディションでしたが、午後から降り始めた雨で後半の路面は悪化。DAY2は夜半の豪雨も水はけのよいプラザ阪下が受け止め、引き締まった路面でタイムの出る一日となりました。
IAクラス|馬場亮太選手が2日間完全制覇でシリーズ連勝。堀越秀鷹選手・太田幸仁選手も安定したポイントを獲得
DAY1は馬場亮太選手(YSP浜松 with BABANASHOX/YZ250FX)が1周目から全テストでトップタイムを並べ、ETも周回を追うごとに4分23秒、4分17秒、4分09秒とタイムを削り続けて独走。2位に52秒28差をつけてDAY1を制しました。DAY2もその勢いは変わらず、2日間24本のテストのうち区間最速を逃したのはわずか3本。総合1時間32分31秒57で完全制覇を果たし、2戦連続でシリーズリーダーの座を固めました。2日間総合では2位の酢崎友哉選手に1分46秒90差、3位の勝山聖選手に2分05秒30差をつけました。堀越秀鷹選手(Ridge Cycle/YZ125)は総合4位、太田幸仁選手(TEAM RABBIT with 太田塾/350EXC-F)は総合6位でフィニッシュしました。
今大会、馬場選手はフロントにモトクロスタイヤを試すという新たな組み合わせで臨みました。阪下がモトクロスコースであることを踏まえた選択でしたが、2日間を通じてエンデューロタイヤとの違いを肌で感じる一戦にもなりました。
「乗れてない感じが続いてたんですけど、一応トップタイムが出てたので、まあみんな乗れてないんだなと思いながら走ってました。転倒はテスト内では一回もなく、毎周ちょっとずつタイムを積み重ねられたのは良かったです。車体セッティングが今回のタイトなコースと合わなかった感覚はあって、フロントが外に出ようとするのを抑えながら走るのが正直しんどかったですね。」
■使用タイヤ(馬場亮太選手)
- フロント:PIRELLI MX32(ソフト)
- リア:METZELER MCE 6 Days Extreme(ミディアム)
- ムース:METZELER(前後新品)
「フロントはピレリのMX32ソフトを試してみました。マディや土質のグリップは高くて信頼感があったんですが、石に対してはメッツラーの方が弾かれにくくて良かったかなという場面がありました。あと耐久性もメッツラーの方が高い印象で、ピレリは2日間通した後でブロックがちぎれていました。メッツラーは面で走る感じなので持ちが違いますね。今回テストとして試してみて、いろんなコンディションや一日通しての幅を考えると、エンデューロタイヤはやっぱりよく考えられてできてるなと感じました。」
125ccの車重を活かして2日間ソフトタイヤを貫いた堀越選手は、DAY1で5位、DAY2で4位と安定した走りを見せました。足の怪我を抱えながらも踏ん張り続けた一戦でした。
「レース自体はなんとかゴールできて良かったです。怪我で踏ん張りがうまく効かなくて、ミスが出てしまった。タイム的には表彰台圏内で走れているんですけど、安定して出し切れていないのが課題ですね。」
■使用タイヤ(堀越秀鷹選手)
- フロント:METZELER MCE 6 Days Extreme(ミディアム)
- リア:METZELER MCE 6 Days Extreme(ソフト)
「前回の御所はフロントもソフトだったんですが、今回はミディアムに変えました。砂の路面でアクセルを押した時に抜けていかない、押せるミディアムって感じで。リアはソフト固定です。125ccは車重が軽いのでソフトでも潰れ過ぎず、むしろグリップを活かしていける。クロステストの上段にある石や砂利混じりの硬い路面でも、ソフトの方がしっかり走りやすいと実感しています。DAY2はリアをソフトからソフトに交換しましたが、ミディアムは持ってこなかった。それくらいリアはソフト一択という感覚です。」
肋骨骨折を抱えながら2日間を走り切った太田選手は、DAY1・DAY2ともに6位でポイントをまとめました。
「DAY1の2周目のルートでクラッシュしてしまって肋骨が折れてしまいました。そこからは本当にしんどくて、特に2日目は痛み止めを飲んでも全然で、ギャップが来るたびに苦しかったです。それでも6位、6位でまとめられたのは、長年の経験で押さえるところを押さえて速いところで速く走れた部分もあったかなと思っています。タイヤはいつも通りフロントスタンダード・リアミディアムの新品ムースで臨みました。阪下は岩盤が出るわけでもガレでもないので、ミディアムで差して走ると決めていたんですが、雨でも晴れでも思った通りにしっかり差せて横滑りもなく走れました。」
■使用タイヤ(太田幸仁選手)
- フロント:METZELER MCE 6 Days Extreme(スタンダード)
- リア:METZELER MCE 6 Days Extreme(ミディアム)
- ムース:METZELER(前後新品)
「ミディアムのタイヤは後半に向けてどんどんタイムが上がっていく特性があって、丸くなってきてもまだグリップしてくれるし、ラインもできてきて合わせやすくなる。今回は骨折でその後半の伸びに乗れなかったのが悔しいですね。でも逆に言えば、そういう状況でもまとめられたのはタイヤへの信頼感があったからでもあります。」
NAクラス|藤岡丈瑠選手がマシントラブルを抱えながらDAY2に逆転し総合優勝。地元・大阪で意地を見せる
DAY1は大津崇博選手(Beta GAMMy Racing/X-PRO)が46分58秒でトップを奪いましたが、藤岡丈瑠選手(CHARGER/YZ125X)はDAY2で37分45秒のトップタイムを叩き出して逆転。マシントラブルを抱えながらも走り切り、総合1時間25分02秒03で開幕戦に続く2連勝を果たしました。2位の大津選手が35秒48差、3位の鈴木心選手が2分32秒差でフィニッシュ。地元・大阪を拠点とするCHARGERチームの底力が光った一戦となりました。
「1日目はマシントラブルにうまく合わせられなくて、メンタル的にも良くなかったです。2日目はトラブルに合わせた走りが自分でできて、パワーがない分、無駄なく走ることができました。」
■使用タイヤ(藤岡丈瑠選手)
- フロント:PIRELLI MX32 MED SOFT
- リア:METZELER MCE 6 Days Extreme(ソフト)
「今回フロントはピレリを試してみました。濡れた路面で刺さってグリップする感覚はあって、序盤からトップタイムを出せていたのはタイヤのおかげもあったかなと思います。ただ石に当たった時の弾かれ感はメッツラーの方が少ないので、他のラウンドではあまり使わないかなという感じです。リアはソフト固定。125ccは車重が軽いのでソフトでも全然持ちますし、ブロックがたわんで面で路面を捉えてくれる感覚がある。今回も2日間ソフトのみ持ち込みで走り切りました。」





