タイヤにとって空気圧は大切なファクターです。タイヤ性能を補完しあう大切なパーツと言っても良いでしょう。

そもそも空気圧とは、ホイールに装着されたタイヤの内部の空間に充填された空気の圧力です。通常、一般道を走るバイクには路面のギャップや段差を乗り越えてもタイヤやホイールにダメージが及ばないようにするため、メーカー指定の空気圧があります。
メーカー指定の空気圧は2人乗り、荷物の積載など高荷重な状況もカバーするように設定されています。乗り方、ライダーの体重ななどで指定空気圧から10%程度の範囲内でフィーリングに合う空気圧を探すことも楽しみの一つ。
ただし、迷ったら指定空気圧に戻すこともお忘れ無く。

サーキット走行では一般道よりも高い速度、ブレーキングやコーナリングによるタイヤへの荷重が増えることでタイヤの発熱量が増加します。これにより熱膨張でタイヤ内圧が高まり、グリップ力、接地感が悪くなることがあります。
そのため、走行前の冷間時に空気圧を少し下げ、走行開始後タイヤが暖まったところで適正となるよう調整します。どれくらい上昇するのかは、天候、気温、路面温度や走るペース、コースのキャラクターでも変化するので、その傾向がつかめるまで何度かピットインして空気圧計測をお忘れなく。

ビギナーは、経験のあるショップ、ライダーのアドバイスも参考に空気圧の調整をしてみて下さい。
また、サーキット走行で空気圧を下げた後に一般道を走行する時は、指定空気圧に戻すこともお忘れなく。低い空気圧のまま走行すると、路面の段差や深い穴などの通過時にタイヤが想定以上にたわみ過ぎたことでホイールのリムを曲げてしまったり、最悪の場合、そうした衝突の衝撃でタイヤの空気が外部に漏れ、一瞬にしてすべての空気圧を失う可能性もあるからです。

エアチェックゲージによる空気圧測定
サーキットでは空気圧を下げるよう推奨しているタイヤメーカーもある。高速やスポーティな走りでタイヤの温度が高まり、空気圧も上昇して本来の凹んだり減衰したりの特性バランスが崩れる可能性があるからだ。ただ、サーキット走行を終えて一般道路を走るときは、必ず指定圧に戻すのをお忘れなく