2026年FIMスーパーバイク世界選手権第9戦フランスラウンドが、9月4日から6日にかけてマニクール・サーキットで開催されました。

WorldSSPクラスに参戦する岡本裕生は、土曜日のレース1で19番グリッドから追い上げ、13位でフィニッシュ。今季自己ベストタイの順位で、2度目となるポイントを獲得しています。

金曜日のスーパーポールでは19番手に留まったものの、決勝では好スタートから順位を上げ、序盤には一時10位まで浮上。中盤以降はポジションを落としたものの、最終的には粘って13位でチェッカー。ポイント圏外が続いていた直近数戦の苦しい流れを断ち切り、再びトップ15へ返り咲く力走を見せました。

今季モストのレース2に並ぶ自己ベストタイの結果であり、参戦2年目のWorldSSPにおいて、確かな手応えとともに貴重なポイントを持ち帰る週末となっています。

また、チームメイトのカン・オンチュもレース1で13番グリッドから猛追し、ロベルト・ガルシアとの激しいトップ争いを制して優勝。Pata Yamaha Ten Kate Racingにとっては、両ライダーが後方グリッドから見事な追い上げを披露する会心のレースでした。

レース2は赤旗中断を経て5周のスプリント決戦へ

日曜日のレース2は、トム・ブース=エイモスの転倒により赤旗中断。その後、残り5周のスプリントレースとして仕切り直しへ。

レース終盤はオンチュがトップを快走していましたが、最終ラップの痛恨のミスで4位へ後退。その隙を突いたGMT94 Yamahaのロベルト・ガルシアが、WorldSSP初優勝を飾りました。2位はアルベルト・アレナス、3位はバレンティン・デビーズ。岡本は16位で週末を終えています。

タイヤから紐解くマニクールの激闘

今回のフランスラウンドにおける技術的なハイライトは、2025年の同地で開発仕様として投入されたピレリのソフト系リアタイヤが、2026年の「標準レンジ」として戻ってきたこと。最高峰のWorldSBKクラスでは、前年に『E0479』として投入されたエクストラソフトのSCQと、『E0126』として使用されたスーパーソフトのSCXが、今年から標準タイヤのラインアップに組み込まれました。

レース1とレース2では、全ライダーがリアにSCXを選択。一方、日曜午前のスーパーポール・レースでは、20台のうちSCXが10台、SCQが10台と、選択が見事に二分。なお、フロントは全レースを通じて全車がソフトのSC1を履いています。

ピレリのモーターサイクルレーシングディレクターを務めるジョルジオ・バルビエは、「昨年開発段階だったSCXとSCQが標準レンジとなり、タイムの大幅なペースアップに貢献した」とコメント。さらにスーパーポール・レースでタイヤ選択が半数に分かれたことについても、「両仕様がそれぞれ実戦で有効に機能している証拠」と高く評価しています。

ブレガが3レース完全制覇、SCXでコースレコード更新

WorldSBKでは、ニコロ・ブレガがレース1、スーパーポール・レース、レース2の3レースすべてを制する圧倒的な強さを見せつけました。

なかでも特筆すべきは日曜午前のスーパーポール・レースです。リアタイヤの選択が二分するなか、ブレガはSCXをチョイス。1分34秒750をマークし、前年にトプラク・ラズガットリオグルが叩き出したレースラップレコードを0.750秒も更新しました。

さらにこのタイムは、ラズガットリオグルが2025年の予選において開発仕様のSCQで記録した、従来のオールタイムラップレコードをも0.180秒上回る驚異的なペースです。

続くレース2でも全車がリアにSCXを選ぶなか、ブレガが悠々と優勝。フランスラウンドを完全制覇し、今季27戦中26勝という金字塔を打ち立てています。

WorldSSPのレース2においても、全車がフロントにSC1、リアにSCXを選択。アルベルト・アレナスが最終ラップに1分39秒743を記録し、前日のレース1でトム・ブース=エイモスが刻んだレースラップレコードを0.125秒塗り替えました。

前年にマニクールで実戦開発されたSCQとSCXが標準レンジに組み込まれ、その同じ舞台で新たなレコードを次々と生み出す。今回のフランスラウンドは、ピレリにとってタイヤ開発の確かな進化を証明する一戦となりました。

岡本は次戦クレモナへ照準

岡本にとって今回のフランス戦における最大の収穫は、レース1で再びポイント圏内に食い込んだことです。

次戦は9月25日から27日にかけて、イタリア・クレモナ・サーキットで開催されます。マニクールのレース1で見せたような粘り強い走りで、予選からのポジションアップとトップ15圏内での定着を果たせるか。次戦でのさらなる飛躍に期待がかかります。

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