WSBK第2戦インドネシアラウンド 3月3日~5日/インドネシア プルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキット

スーパーバイク世界選手権(WSBK)の第2戦インドネシアラウンドが、3月3日から5日にかけてインドネシアのプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで行われました。

週末に行われた3レースのうち、レース1とレース2で優勝を飾ったのは、2022年チャンピオンであるアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)でした。中でも日曜日に行われたレース2は、チームメイト同士のトップ争いとなりました。

当初の予定通り現地時間13時30分に始まったレース2、バウティスタはスーパーポール・レースで転倒を喫したために4列目10番手からのスタート。レースは7周目の11コーナーでマイケル・ファン・デル・マーク(ROKiT・BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)とフィリップ・エッテル(チーム・ゴーイレブン)の転倒が発生し、赤旗中断。約20分の中断ののち、レースは再開されました。

再開されたレースで、序盤からトップに立ったのはバウティスタのチームメイト、マイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)でした。リナルディは中断前のレースでもトップを走っており、ポールポジションからスタートしています。

リナルディの後ろに続くのはトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハ・プロメテオン・ワールドSBK)、そして3番手のバウティスタ。バウティスタは再開後のレースを4番手からスタートして、3番手にポジションを上げていました。このトップ3人が4番手以下を引き離し、さらにリナルディがリードを広げようという展開。こうした状況の中、バウティスタは4周目にラズガットリオグルをパスして2番手にポジションを上げます。このとき、トップを走るリナルディとバウティスタとの間には、約1.5秒という大きな差がありました。

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4周目にラズガットリオグルをかわして2番手に浮上したバウティスタ

しかし、バウティスタはそこからじわじわとリナルディとの差を詰めていきます。残り3周で背後に迫ると、残り2周でリナルディをかわしてトップに立ちました。ここで勝負が決し、バウティスタがそのまま優勝を飾ったのです。

バウティスタにかわされたリナルディは、最終ラップの10コーナーでミスをして大きくラインを外してしまい、ラズガットリオグルとチャビ・ビエルゲ(チームHRC)にパスされて、表彰台を逃しています。

終盤にリナルディに追い付き優勝を飾ったバウティスタは、再開後のレースでリヤタイヤを硬めのコンパウンドに変更していました。赤旗中断前はリヤにSCX-A(スーパーソフト)を選択していたのですが、再開後のレースではSC0(ソフト)を履いていたのです。レース後の本人のコメントによれば、スーパーソフトのタイヤが残っていなかったということで、SC0を選ばざるをえない状況だったようです。

対するリナルディが履いていたのはSCX-A。バウティスタとリナルディで装着したタイヤが異なっていたわけですが、バウティスタはリナルディとそん色ないペースで走り、1.5秒ほどの差を縮め、さらにトップを奪って優勝を飾りました。

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今季5勝目を挙げたバウティスタ(中央)。2022年チャンピオンの勢いは続く

インドネシアラウンドで、バウティスタは早くも2023年シーズン5勝目を挙げて、チャンピオンシップのランキングトップをひた走っています。

WSBK第3戦オランダラウンドは、4月21日~23日、TT・サーキット・アッセンで行われます。



写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里